CONCEPT
日本は、現在、様々な困難に直面しています。加速する高齢化・人口減少、それに伴う経済の収縮、公的債務の累積による財政破綻の可能性、首都直下地震・南海トラフ地震などの大地震や地球温暖化に起因する大規模災害が発生する可能性、領土問題や核開発などを巡る国際関係の緊張の高まりなど、社会の安定と持続可能性に大きな影響を及ぼす様々な問題を抱えています。そして、これら多くの問題が、公共政策や国際政策に関わっています。
私たちは、このような問題を乗り越えて、持続可能な日本そして世界を創っていかなければなりません。民主主義社会では、政策を決めるのは最終的には国民です。私たち一人ひとりが直面している問題について理解し、よりよい社会を築くために、望ましい政策のあり方について考え続けることが大切ではないでしょうか。
特に、これからの社会を担っていく若い人たちにとって、政策について理解し考えることは、とても大切なことだと思いますが、そのような機会はこれまであまりなかったのではないかと思います。2016年には、選挙権年齢が「18歳以上」に引き下げられ、すべての大学生が選挙権を持つようになりました。
一橋大学の中で、政策に関する専門的な教育・研究を行う国際・公共政策大学院では、特に若い人たちに政策について考えてもらう機会を提供したいと考え、「18歳からの国際・公共政策セミナー」を開催することにしました。
民間経済もまた、政策に大きな影響を受けることになります。卒業後どのような仕事に就くとしても、政策に関する理解と見識を持つことは、きっと役立つと思います。選挙権を持つ一国民として、そして社会人として、良い選択が行えるように、政策について考える時間を持ってもらえたらと考えています。
一橋大学の中には、政策について研究している先生方が数多くいらっしゃいます。セミナーでは、そのような先生方に講師そして参加者になって頂き、政策について学生が学ぶ機会を支援して頂けるとありがたいと考えています。もちろん、セミナーでは、学外の研究者や政府で実際に仕事をしている方々にも講師になって頂き、少子化、憲法、テロ、消費税、原子力発電、開発援助、核問題、宇宙開発など、その時々の話題を積極的に取り上げたいと思います。
開催頻度はそれほど多くありませんが、多くの学生・教員の皆さんに参加してもらえればと考えています。